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今月の特集

【コロナで増税宣言! 令和3年度税制改正

コロナで増税宣言! 令和3年度税制改正

昨年の税制改正では、新型コロナウイルス感染症について触れていない。感染への注意喚起はあったものの、その翌月に緊急事態宣言が発出された。それから1年。感染症対策については、助成制度が担った。税制に関して大きな変更点はない。令和3年度の改正では、「アフターコロナ」「デジタルトランスフォーメーション(DX)」「カーボンニュートラル」の3点がトピック。なお、例年通り国会通過前の段階で本特集をまとめた。

 

■社員一人ひとりの給与増加ではなく給与総支給額の1.5%増が対象に

 いわゆる所得拡大税制。こちらもコロナ後を見据えたもの。現行は「継続雇用者給付等支給額」の対前年度増加率1.5%以上を対象に法人税額の20%を限度に控除が適用されていた。この「継続」が削除され、雇用者全体の給与等が1.5%以上の増加で同様の控除が適用される。 改正案では「雇用を増加させる企業を下支えする」とあり、コロナ禍の厳しい経営環境をかんがみて、緩和されたことになる。2年延長。

 

■M&A加速をねらう 中小企業経営資源の集約化税制

 こちらは菅総理肝入りとも一部でささやかれ、中小企業再編を推進する(現在はコロナ禍でそちらに力点が置かれている)もの。人口減少社会を反映してか、事業承継で市場と適切なバランスを取っていくものと見られる。

 中小企業が株式譲渡によってM&Aを実施する場合(取得金額が10億円以下に限る)において、株式等の70%以下の金額を、「中小企業事業再編投資損失準備金」として積み立てたときは、損金算入できる。この準備金は5年間で均等額を取り崩し、益金算入する。

 

■エンジンからモーターへ 自動車関連税制の変革宣言

 トピックの3つ目、「カーボンニュートラル」については、具体的な近未来のベクトルが示されている。今回の改正案の最初に「基本的考え方」が記されており、ここに「今回の見直しにおいては、次のエコカー減税等の期限到来時に抜本的な見直しを行うことを前提に、一定の猶予期間を設けることとする。関係省庁及び自動車業界には、この期間内に上記の大変革に対応する準備を早急に整えていくことを望みたい」とある。 「大変革」とは、菅政権が掲げる「2050年カーボンニュートラル」のことで、この文言も明記されている。平たく言えば、エンジン(ガソリンなどの燃料)からモーター(電気自動車)への転換。税制改正特集なので自動車業界の見解については割愛するが、今後自動車をはじめ脱炭素化を加速させる税制をはっきりと宣言したと理解できる。

  

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