【障害者雇用本気の就労支援】
■大きなネットワークに育った本気の障害者就労支援
(株)カムラック(福岡・賀村研社長)は、障害を持つ方が、ITスキルを活用して自立・活躍できるよう「障害者就労総合支援事業所」として、ワンストップで業務を行う事業所。事業内容は、ホームページ作成、プログラム開発、データ入力やテスター等、パソコンとインターネットを活用した業務が中心。
就労支援A(カムラックラボ)・B(ホップ・ステップ・カムラック)型事業所、同A型からB型に移行する枠の「カムラックライト」、就労移行支援事業所「ホップ・ステップ・カムラック」、放課後デイサービス「かむらっきーず」、特定相談支援事業「カムラック未来」等。多様な支援施設を完備。
また、前述のIT業務を担当する(株)else ifを含む関連会社5社の代表・役員も務める。ほか、一般社団法人障害者雇用基準認定協会代表理事、アイドル九州プロジェクト後援会会長、一般社団法人未来アスリート発掘・スポーツ推進協会理事など、諸団体の役員にも就いている。この諸団体についても、実は障害者就労促進の重要なポイントであるため後述する。
とは言え、最初から大きな体制で始められたわけではない。最初は就労支援A型。そこから「一般就労(企業に行く)移行・企業に行くA型」と言う枠組みを作った。このA型と企業の間にあるクッション的なカテゴリーについて、賀村社長は「支援事業所で請け負う業務を実際に利用者にやってもらって輩出するので、利用者の手がけたホームページ等が成果物として社会にわかりやすい形で表れ、利用者の自信や達成感につながります。さらに、企業にとっては即戦力でもあるわけです」と話す。
そこからカテゴリーは「B→A型」、B型、放課後デイサービスへと降りて行く。「B→A型」も先述のクッション型カテゴリー。放課後デイサービスについては、後述する。同グループ(カムラックグループ)では今年も20人程度、一般就労で社会に送り出す構え。
■支援体制や制度が陥れる場合も
B型事業所については就労支援施設と言いながら、実態はA型と比較して一般就労はかなり厳しい。施設は「就労に必要な知識及び能力の向上」と定義され、A型と比較して利用者への支援は手厚い。ここでも前出の賀村社長は「支援があることでB型の枠から抜けられず『沼』と化してしまう危険性も抱えている。また、『良かれと思って』支援にしがみつく人もいます。こういった考え方の人(特に親)は、なかなか意識改革が難しいです」と話す。
故に、制度に「おんぶにだっこ」してしまう前に、小さな頃から自立や強み、得意分野の構築をするために放課後デイサービスが整備された。各カテゴリーは自己の状態によって行き来可能。
とは言え、社会保障制度(具体的には支援金)も人口減少による税収低下は免れず、国の制度を今のままあてにはできない。このことが「福祉は民間で(後述)」につながって行く。
続きは誌面で